タイミングシステムの問題点とテスト結果(1)
v.s.2.2
外部クロック試験の結果(1)
[実施日時]:1998-10-07 19:00-21:00
[試験内容]:多数のCAMACを外部クロックに設定した場合、電圧の降下により、動作できな
い可能性があるため、各測定用CAMACモジュール位置での電圧の測定、スタンドアローンシ
ステムでの動作確認を行った。(今回はこの問題だけのテストで総合テストは別途行う予定)
[結論]:外部クロック100KHzまでは動作可能。
放電時間が2分を超える場合はスタンドアローン用ソフトの変更が必要である。
[詳細]
試験1.
下記の配置で、電圧3.8V(TTLレベル)、周波数5K,100K,1MHzの信号を復調器より送信し、
増崎CAMACで測定を行った。
結果
末端部での電圧は3.6-3.8Vと電圧の降下は認められないが、バッファアンプの周波数特性の
限界により100kHzにおいて、波形が崩れた。100kHz,1MHzでの動作は不可能と思われる。
試験2.
下記の配置で復調器より直接、周波数5K,100K,1MHzの信号を送信し、増崎CAMACで測定を
行った。
結果
末端部での電圧は3.6-3.8Vと電圧の降下は認められないが、1MHzの周波数において、
シグナルの反射により波形が崩れたので1MHzでの動作はタイミングのずれを伴うと思われる。
100KHzまではほとんど問題ないであろう。
対策
バッファアンプを使わずに50Ωでターミネートするのは復調器の出力の能力からいって難し
い。したがって周波数特性が改善されるようにバッファアンプの製作をやり直す。
当面は外部クロックは100kHz以下の周波数で使用する。(このアンプはテストのため急きょ
製作したので、連絡の行き違いなどにより、必要な性能を得ることができなかった)
試験2.
外部クロック10KHzおよび1KHzで、榊原CAMACにおいて、スタンドアローンシステムでの
計測を行った。
結果:
10KHzでの取り込みは成功。
1KHzでは取り込み時間が、Aurora14での最大トリガ待ち時間2分を越えるため、外部トリ
ガでの取り込み開始に失敗した。
対策:
放電時間が2分を超える場合はスタンドアローン用ソフトの変更が必要
テスト期間中、一度も誤動作は発生しなかった。
また今まで報告されているような(途中でパルスが止まる等)問題は発生しなかった。
結論として標準的な使い方をしている限り
タイミングシステムは問題なく使えるであろう。
テストは、それぞれ |
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スタート時間 |
パルス数 |
パルス幅 |
|
ch.1 |
100s後 |
1パルス |
0.1s |
ch.2 |
1s後 |
250パルス |
0.1s 0.2s間隔(duty 50%) |
ch.3 |
51s後 |
250パルス |
0.1s 0.2s間隔(duty 50%) |
の3種類のパルスを発生させた。 |
|||
トリガーは約110s毎に入れた。 |
|||
これを設定を変えずに30時間繰り返し(約900回)、モニターした。 |
問題解決状況を次の5段階に分けます。
○ |
すでに解決した。または正しい使用方法や知識、問題回避方法の周知徹底を行えば解 |
決する。 |
|
△ |
まだ解決していない。しかし原因が判明し、現在問題解決への作業が行われていて、 |
おそらく第2サイクルまでには解決しているであろう問題。 |
|
□ |
いまだ原因不明。または現状では症状の再現できない。何らかの誤解が原因の可能性 |
もある。 |
|
× |
原因が判明又は症状が再現することが確認された。しかし、解決の見通しがまだ立っ |
ていない。その機能を使用しない、または問題発生時にその場その場で対処するしかない |
|
×○ |
はっきりした原因の特定はできていないが、状況から原因が予想されていて、その場 |
合の解決方法が示されているもの。 |
[小嶋] |
小嶋メモに載っている問題。(14),(15),(16)については小嶋さんから報告があった問 |
題なので小嶋メモに加えた。 |
○(1)トリガーLEDのバグ。トリガー出力のLEDが過ったタイミングで点灯する。
これは仕様なので直感に反する動作であるが現状では仕方がない。誤解がないように周
知徹底することで解決をはかる。
○[小嶋](2)電源を一回落とすとStop+Resetをかけないと復調器が動かないことがあ
る。
○(3)電源を一回落とすとうまくVxWorksが立ち上がらないことがある。これは
resetすれば立ち上がるが、そもそもVxWorksが立ち上がっているかどうか外から判
断するのは難しい。
(2),(3)は注意していれば防げるので、そのようなことが起こり得ることを周知徹底す
る。将来的には、外からvxWorksの状態がわかるような手段(状態表示モジュール)があれば
良い。
○[小嶋](4)run状態(2分前トリガーをうけてカウンターが動いている状態)で設定を変
更すると、暴走を始めることがある。
再現テストの結果、再現しなかった。(または修理された)
しかしこの問題が起こり得ることを周知徹底することは必要。
○(5)plasma.exeのバグ。複数のシャシの設定を同時に変更しようとすると実際には
変更されていない。
バグの原因が特定され、バグは訂正された。現在は設定可能。
△(6)本体側のから来るトリガーに過ったタイミングのものが含まれていた。
これはすでに本体グループを通じて日立に連絡済み。その後どうなったのでしょう渡辺
さん?
×[小嶋](7)inhbitが立ったままになる。
修理によってケーブルを繋がない状態では、問題なくなった。しかしケーブルを
inhibit端子に繋ぐと不安定になる。inhibit端子は使用不可。
○(8)interuptが発生しぱなっし。これに関しては当初原因が発見され修理が行われ
たが、残念ながら症状が悪化した。結局interuptを無効にして運用した。
原因が判明し、修理された。ただ内部設定によってはまだ起こる可能性あり。正しく設
定されていれば問題なしだろう。
□(9)plasma.exeとVMEが通信できないことがあった。Plasama.exe
が立ち上が
らない。しばらくすると自然に復旧する。
原因不明。ネットワークの問題か?。再現も難しい(?)。いつかは復旧するのでそれ自
体は大きな問題ではない。しかし、マニュアルで指摘した通り、Plasama.exe が立ち上
がらないトラブルの原因には多くのバリエーションがあり判断が難しいので混乱の元になる
可能性あり。
□(10)複数のトリガーパルスを出そうとすると、設定回数出ない内に止まってしまう。
原因不明。しかしパルスch.1の設定がされていなかったのでは、という推測がされて
いる。このことは周知徹底されていなかった。大舘氏の話では「実行するたびに結果が違うと
いうのをこれで説明するのは困難ではないかと思います。」だそうで問題は単純ではないかも
しれない。
その後のテストの結果、正しく動作することが確認され再現しなかった。
□(11)マニュアルトリガーが効かなくなる。run
LED も点かない(長山、他)。
再現しないと原因がわからない。使用方法の誤りということも考えられる。
□(12)plasma.exeの画面にモジュールが現れない(長壁、他)。
再現しないと原因がわからない。ただ立ち上げ期の混乱でLABCOM側で必要な設定さ
れていなかった可能性がある。作業にあたった山田さんに問い合わせたところ、結局長壁氏の
VMEは電源配線等が不十分ですぐに撤退したため原因解明まで至らなかったということでし
た。
×(13)フラッシュメモリの設定が突然消えてしまう。
原因の特定はできていないが、めったに起こらないはず。頻発するなら対策を考えなけ
ればならない